月夜に笑った悪魔


「そ、そうだったんだ」
「ちなみに本部長の息子が吉くん、本部長補佐の息子が絵音くん、事務局長の息子が十くんだよ!みんなパパ同士が仲良くてね、“夜桜”はみんなのパパたちが昔作ったチームで──」


いろいろ説明してくれるけど、頭がパンクしそう。
……とりあえず、ヤクザっていうのはいろんな役職があることと、暴走族“夜桜”がみんなのお父さんたちが創設したというのはわかった。




「教えてくれてありがとう」
「ううん、なんでも聞いてね!」


「……あ、じゃあ話戻して、ちゃんと教えるね」
「お願いします!」


失礼します、と言ってから私は化粧品を触らせてもらって最初から千梨に教えた。


彼女は真剣に聞いて、最後に聞いたことをぜんぶメモ。




「女の子はすごいね~」
「この菓子うめぇ!」


その間に絵音はマシュマロを食べながらこっちを見ていて、十はお菓子を食べるのに夢中。




教えるのがすべて終わったところで──「お疲れ様です」と外から聞こえてきた揃った声。

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