月夜に笑った悪魔
一条暁、アウト。
これは、完全にだめ。
なんでOKなんてするの!?
暁、私のことが好き……なんだよね?
私の婚約者だよね!?
私が好きとか言いながら、他の女の子と一緒に寝るの!?
なんで、断らないの!?
普通にありえなくない!?
考えてもちっともわからない。
暁の考えていることがわからない。
心の中がもやもやして、落ちつかない。
万が一、万が一にでももしものことが2人にあったら……
そう思うとじっとしていられず。
「私も一緒に寝る……っ!」
私は部屋を飛び出した。
タオルケットと枕、敷布団まで持っている芽依。
暁の部屋で寝る気満々の彼女は、また驚いた表情で私を見ていて。
暁は、私を見て笑うと
「布団は自分の持ってこいよ」
と、言った。