月夜に笑った悪魔



──そして、こうなったわけだ。




暁を真ん中にして、彼の右側に私、左側に芽依が布団を敷いて。


「電気消すぞ」


カチッと、暁が電気を消して薄暗くなる部屋。
常夜灯だから、まっくらではない。


布団はそれぞれ別々。
みんな布団に横たわっているし、なにも音がしないから芽依は暁の布団に潜り込んだりはしていない。

……今のところ。


こんなんじゃ安心して眠れないや。
私が寝たら、芽依が暁になにかするかもしれないし……。



まさかとは思うけど……芽依が一条組に泊まりに来た時は、毎晩暁と寝てたとかじゃないよね?


いや、でも、芽依は布団一式ちゃんと持ってきて慣れてるような気が……。

その可能性も、ある?





これは本当の本当にまさかだけど、2人は深い関係、というか……体の関係は、ないよね?


中学生と高校生で、そんなことはないよね?
あ、でも去年はだ暁は中学生で、芽依も中学生か……。


2人の年の差は1歳だから……絶対ない、とは言えない。

でもでも、暁は一条組の若頭で、芽依は五分の盃を交わしてる組の組長の娘で、そんなことは……。

< 209 / 615 >

この作品をシェア

pagetop