月夜に笑った悪魔


っていうか!
私が今1番気になるのは、なんで暁は芽依のほうを向いているのかってこと。



ちらりと隣を見れば、私から見えるのは彼の背中のみ。
暁は私に背を向けていて、芽依のほうを向いてる。



……なんで?
なんで芽依と向き合って寝てるの?


私のほうを向けとは言わないから、せめて仰向けで寝てほしい。

芽依は、暁のことが好きだから。


私のことが本当に好きなら、変に芽依を期待させないで……。






私は大きな背中へと手を伸ばし、彼のスウェットを軽く引っ張った。


これで気にしてくれるかと思ったが、無反応。



……寝た?
そんなにはやく寝る人だった?


それとも……無視?
……私が暁の足踏んだから怒ってるとか!?


いやいや、そんなことで怒る暁ではないような……。



今度はもう少し強くスウェットを引っ張ってみる。

けれど……やっぱり無反応。



本当に寝ているのだろうか。


……なんていう男だ。
私は安心して眠れないのに。

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