月夜に笑った悪魔
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「今日の運転は任せてくださいねっ!」
沈んだ気持ちになっていた時に、笑顔で声をかけてきたのは春樹さん。
その言葉に耳を疑う。
……運転、って。
「春樹さん、何歳なの!?」
「20歳です!」
にこりと笑ったまま返されて、びっくり。
春樹さんは幼い笑顔で、ずっと年下だと勝手に思っていたけど……年上だったなんて。
ほんと、世の中見た目で年齢を判断しちゃいけないもんだ。
……そう思ったのはこの家に来て何度目かわからない。
「20歳に見えないってよく言われるんですよ。実はこの間コンビニでタバコ買いに行ったら年確されてしまって……」
「えっ」
さらに衝撃的な言葉。
春樹さんが、タバコって。
……20歳になれば法律的に吸えるものだけど。
春樹さんにタバコは似合わない。
この可愛らしい顔で吸ってるなんて想像もできない。
「俺の話より、行きましょうか!美鈴さんも、芽依さんも、車に乗ってください!」
そう言われて靴を履いて。
外へと出る。