月夜に笑った悪魔


私たちは、これからショッピングモールへと行く。
芽依が行きたいと暁に言って、行くことになったんだ。


春樹さんは私と芽依を車で送迎してくれるだけで、ショッピングモール内に行くのは3人のみ。


その3人というのは、私、暁、芽依の3人。
……実に気まずい。




昨夜、暁にトラウマを思い出させるようなことをしてしまって、それからまだ謝れてないし、今日はまだちゃんと話せてない。


芽依は芽依で隙あらば暁にくっつくし、暁の隣は相変わらず独占したままだし……私たち3人の空気は最悪。


それに私は暁を待っていて眠れなかったから現在ものすごく眠いし、本音を言うと行きたくないわけで。


でも、私が『行かない』って言ったら暁と芽依の2人になっちゃうし……それってデートじゃん!?


私だってまだ暁とデートしたことないのに……!
服屋には2人で行ったことあるけど、あれはデートとは言えないし。


行きたくなくても行かなくちゃいけない。


……あぁ、辛い。
せめて、もう1人か2人……誰か一緒に行こうよ。

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