月夜に笑った悪魔
い、いつの間に到着したんだ……!
普通に声かけてくれてもよくない!?
急なことでびっくりして心臓がドキドキ。
「暁……!」
芽依は立ち上がり、すぐに暁のもとへ。
なにか視線を感じてまわりを見れば、私たちにはたくさんの視線が向けられていた。
暁はこの見た目だし、オーラを放っているからどこにいても目立つんだろう。
……目立つ理由はそれだけじゃない。
芽依も千梨も、絵音もみんな顔がいいから。
やっぱり、顔面偏差値は高い。
こういう場にいると、自分がまわりと釣り合わなすぎて顔を隠したくなる。
メイクで自分のこの子どもっぽい顔を隠したい。
いや、もうメイクじゃなくてもいいから、帽子でも被っていたいよ。
とりあえず顔を隠させてくれ……。
「暁、芽依の飲んでいいよ」
芽依は自分のいちごシェイクを暁に差し出す。
えっ。
それは……普通に考えて、だめじゃん!?
間接キスだよ、間接キス!
暁はなんて答えるのかと思えば……
「腹減ってねぇからひと口で充分」
そう言って芽依の頭をぽんぽん軽く撫でた。