月夜に笑った悪魔


い、いつの間に到着したんだ……!
普通に声かけてくれてもよくない!?


急なことでびっくりして心臓がドキドキ。








「暁……!」


芽依は立ち上がり、すぐに暁のもとへ。


なにか視線を感じてまわりを見れば、私たちにはたくさんの視線が向けられていた。


暁はこの見た目だし、オーラを放っているからどこにいても目立つんだろう。


……目立つ理由はそれだけじゃない。
芽依も千梨も、絵音もみんな顔がいいから。


やっぱり、顔面偏差値は高い。


こういう場にいると、自分がまわりと釣り合わなすぎて顔を隠したくなる。
メイクで自分のこの子どもっぽい顔を隠したい。


いや、もうメイクじゃなくてもいいから、帽子でも被っていたいよ。
とりあえず顔を隠させてくれ……。




「暁、芽依の飲んでいいよ」


芽依は自分のいちごシェイクを暁に差し出す。



えっ。
それは……普通に考えて、だめじゃん!?


間接キスだよ、間接キス!



暁はなんて答えるのかと思えば……




「腹減ってねぇからひと口で充分」


そう言って芽依の頭をぽんぽん軽く撫でた。

< 218 / 615 >

この作品をシェア

pagetop