月夜に笑った悪魔
「あなたが日南 美鈴ちゃんね!あたしは大柳 吉(おおやなぎ よし)、体は男でも心は乙女よ!よろしくね~!」
向けられる視線。
……私のこと、知ってる?
「よ、よろしくお願いします」
疑問に思うけれど、ぺこりと頭を下げた。
「暁、美鈴ちゃんの髪の毛整えてあげてもいいかしら?」
「いいけど、春樹にメシの用意してもらってるからすぐおわせよ」
「わかったわ!行きましょう、美鈴ちゃん」
暁さんの手が離れると、今度は吉さんに手をつかまれて、早歩きで移動。
神様、もう教えてください……。
ここはどこで、私は昨日なにをしてしまったんですか~~!!
帰りたいよ……でも帰るところもお金もないよ。
どうすればいいんだろう……。
とりあえず大人しく足を動かした。