月夜に笑った悪魔


「あなたが日南 美鈴ちゃんね!あたしは大柳 吉(おおやなぎ よし)、体は男でも心は乙女よ!よろしくね~!」


向けられる視線。

……私のこと、知ってる?


「よ、よろしくお願いします」


疑問に思うけれど、ぺこりと頭を下げた。


「暁、美鈴ちゃんの髪の毛整えてあげてもいいかしら?」
「いいけど、春樹にメシの用意してもらってるからすぐおわせよ」


「わかったわ!行きましょう、美鈴ちゃん」


暁さんの手が離れると、今度は吉さんに手をつかまれて、早歩きで移動。





神様、もう教えてください……。
ここはどこで、私は昨日なにをしてしまったんですか~~!!


帰りたいよ……でも帰るところもお金もないよ。
どうすればいいんだろう……。


とりあえず大人しく足を動かした。


< 22 / 615 >

この作品をシェア

pagetop