月夜に笑った悪魔



彼女はまた暁へと手を伸ばすから、私はその手をつかんで。
今度は暁の手は離し、あいた手で千梨の手をつかんで「女同士で行こう!」と芽依と千梨を強引に店内へ連れて行った。




店内へと入れば、頬をふくらませる芽依。
いかにも不機嫌という表情。


だけど、そんな顔をしながらも下着を見ていた。
下着が欲しかったのは本当のようだ。


「あっ」


そんな様子を見ていれば、急に下着を見ていた手がとまって。


私と千梨の目の前に芽依がくると、手が伸びてきて……触れられたのは、胸。


軽く揉まれて、すぐに離れる手。


急になに……!?




「おばさんに……負けた」


そう言った彼女は、下を向いて落ち込んでいた。
けれど、それは一瞬。


すぐに顔を上げて、


「でも、千梨には勝った」


千梨を見て、今度は嬉しそうな表情。



負けた、勝ったというのは……胸の大きさのことだろう。

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