月夜に笑った悪魔
お店を出ると、すぐに見えた暁と絵音。
絵音は「こっちだよ~」と手を振ってくれるけど、暁は退屈そうにしてる。
「待たせてごめんね……。次、芽依あそこ行きたい」
芽依は暁の顔を覗き込むと、また彼の腕を引っ張って歩く。
今度はどこへ行くのかと思えば、到着したのは──ゲームセンター。
近づくにつれて音が聞こえてきたから、もしやと思ったけど本当にここだったとは。
モール内にあるゲームセンターは意外と広い。
そして、音がうるさい。
私はあまり好きではない場所だ。
……入口の前で待ってたらだめかな。
でも行かなかったら芽依が暁にまたなにか変なことするかもしれないし……。
うーん、と考えているうちにも近づいていくゲームセンター。
ピタリと足をとめようとした、その時。
「すず!?」
突然、パシッと後ろから手をつかまれた。
振り向けば目に入ったのは、ド派手な金髪の見覚えのある男性。
その男性の目元には、特徴的なほくろがあるから……誰だかわかった。