月夜に笑った悪魔
私の昔の知り合いで、この間の潜入捜査の時にクラブ内でたまたま再会した、“はやと”だ。
「はやと……!」
「やっぱすずだ!もう会えないかと思ったけど、また会えたな!この間ぶり!」
にっと笑う笑顔は昔と変わらない。
明るい笑顔。
「隼人(はやと)、その子うちの学校の可愛い子じゃん。知り合いなん?」
はやとの横から顔を出したのは、彼と同い年くらいのメガネをかけた男性。
私は、はやとの本名を聞いたことがなかったけど……“はやと”は本名だったのかな。
今、はやとって言ったよね?
っていうか、1番引っかかった言葉は……“うちの学校”という言葉。
「「え!?」」
私とはやとの声がハモる。
「なに、知らなかった?まぁ、おまえ学校サボってるからな……。その子、有名人だよ」
メガネをかけた男性は、はやとに説明。
……まさか、はやとが同じ学校だったなんて。
……世界は意外と狭いもんだ。
「まじか……!すずはなん年生!?」
はやとは驚いた表情で私を見つめて、「2年」と答えれば……さらに驚いた表情。
「同学年じゃん!」
驚きの言葉。