月夜に笑った悪魔


「え!?」


同じ学校で、同学年とか……どんだけ世界は狭いんだ。
同学年ってことは……


「同い年……?」


そっと聞いてみる。


「あ、俺はダブってんの。サボりすぎて留年しちゃった」


またまた、驚きの言葉。


笑顔で言ったはやとだけど、ダブってるって……留年した、ってことだよね?
じゃあ、年上なんだ……。


「すごくね!?俺今度から学校行くわ!そしたらすずと会えるし──」




「なに人のもんに触ってんだよ」






はやとの声は遮られ、低い声が耳に届く。

私の手をつかんでいるはやとの手をパシッとつかんでいたのは……暁だった。


暁ははやとを睨みつけて、手に力を入れ……。
はやとの手から私の手は離された。


暁が怒っているのは……溢れ出るオーラでわかる。



はやとの手をまだ離さない暁。
はやとは痛そうに顔を歪めている。




「暁っ!知り合いなの!はやととは昔からの知り合い!」


私は必死に彼に言った。

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