月夜に笑った悪魔


身長が低めの絵音と、背が高い男性2人。
その身長差は結構ある。


「絵音……っ!」




心配になって私は声を出した、けれど……なにも心配はいらなかったみたいで。





「俺のこと知らないなんてショックだなぁ」


絵音はそうつぶやいたあと、胸ぐらをつかまれていた手と、目の前の相手の胸ぐらを同じようにつかんで。


次に瞬きをした時には、ついさっきまで絵音の胸ぐらをつかんでいた男性が地面へと倒れていた。


……背負い投げ。




もう1人の男性は一瞬のことでなにが起こったかわからず固まっている。
すかさず絵音はもう1人の男性の胸ぐらもつかんで、二回目の背負い投げ。





身長差があるのに……すごい。
……可愛い顔しててもちゃんと強いんだ。



「あっくんのことだけじゃなくて俺のこともちゃんと覚えておいてね、したっぱくんたち。
まぁ、名前は教えないけど」


地面に倒れる男性2人の顔をのぞきこんで、絵音はにこりと笑った。

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