月夜に笑った悪魔
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はっと気づいた時には、夜の繁華街を1人で歩いていた。
暑い気温、心臓がドクドクとやけに早く動く。
……さっき見た光景が夢みたい。
信じられない。
いや、もしかしたら本当に夢なのかもしれない。
そうだ、夢。
これは悪い夢だ。
地面がぽたりぽたりと濡れていく。
これは雨じゃなくて………涙。
どうしてもこれが現実だと信じたくなくて自分のほっぺたをつねってみる。
けど、痛みがあって……
胸が張り裂けそうなくらい痛くて、
これは現実だと思い知らされた。
……いつからだったんだろう。
いつから、浮気なんかしてたの?
彼が望むことはなんでも聞いて、少しでも彼が好きな女の子になれるように自分なりに努力したつもり。
したつもりだったのに……いったいなにがいけなかったんだろう。