月夜に笑った悪魔


「……っ」


太ももをなぞるように、大きな手は触れてくる。


熱い手。
さらに上がる体温。


私はその手をスカートの上からつかむ、が……。
体に熱がまわりすぎてうまく力が入らず。




彼の手はとまることなく、私の太ももの付け根へとなぞりながら向かっていく。
乱れていくスカートの裾。


力ない手でもう一度彼の手をつかむと、唇は離れて……。




「……なに?」


彼は口角を上げながら聞いてくる。



意地悪だ。
私の言いたいことなんてわかってるはずなのに、わざわざ聞いてくるなんて……。


「て、手が……」


息を乱しながら視線を足に触れられている手へと向けると、彼は。






「イイコト、する?」


足から手を離すことなく、甘く誘うように聞こえてくる声。

顎をぐいっと持ち上げられて、瞳に映ったのは妖しく笑う彼の姿。

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