月夜に笑った悪魔
甘い熱に溺れて
「美鈴!頼む!歴史の課題写させて!」
4時間目の授業が終わって昼休みに入った瞬間、隼人は私の教室へとやってきた。
教室中の視線が、私たち2人に。
……ものすごく目立っている。
けれど、隼人はぜんぜん気にしていない様子。
課題を写させて、ということは彼はまったく手をつけていないんだろうと予想。
「……課題なら私もまだ終わってないよ」
「途中までやった!?」
「それはやった、けど」
「見せてくださいっ!女神様っ!」
拝むように隼人は手を合わせる。
なんだ、女神様っていうのは……。
「まぁいいけど」
私は自分の机の中から冊子を取り出す。
そして、それを隼人に渡そうとしたが書いてあったのは“数学”の文字。
慌てて引っ込めて。
「こっちだ」
その数学の冊子の下にあったものが、歴史。
そっちを渡そうとすると。
「美鈴!数学も俺に見せてくんない!?」
数学の冊子を見た彼はキラキラと瞳を輝かせて、おねがいビーム。