月夜に笑った悪魔


今日も暁はシゴトで学校を欠席するのかと思ってたけど、いつの間にか来ていたみたいだ。
朝は黒服姿でいて、今はちゃんと制服姿だから、途中から来たんだろうか。


……教室に来た気配もなにもわからなかったや。


そういえば前も……ショッピングモールの地下駐車場で隠れていた時、暁が来てくれたけど気配も音もなにも感じなかったような。
まるで、忍者かと思うほど。




「あっ!美鈴の旦那!」


隼人は、暁を見るなり大きな声を出した。


その言葉で、ざわつく教室内。
“旦那”と言われたから。




「あの2人って結婚してるの!?」
「旦那って言ったよね?」
「っていうか、本気で付き合ってたの!?」


驚きの声がまわりから次々に聞こえてくる。




……なんか、誤解されてる。


まだ、結婚してない。
暁は16歳だから結婚できない。


現在は、婚約者ですっ!






私は暁の腕を強く引っ張って。
彼の体が傾くと背伸びをし、ぽんぽん頭を撫でた。



「け、結婚はまだしてないよ!?暁、年下だし!16歳だよ、16歳!」


変な誤解をされないように説明。
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