月夜に笑った悪魔
そこに入ると、扉と鍵を閉められた。
暁は持っていたパックのフルーツ牛乳を机に置くと私と向き合い、扉に体を押し付け
「んんっ」
急に重ねられた唇。
鍵をかけられて、見られないようにしたからといっても……ここは学校。
学校はこんなことするところじゃないのに……。
すぐに唇が離れて、また触れようとするから私はキスされないように両手でガード。
「ここ学校……っ」
「なんであいつの前では言わねぇの?」
キスされないようにガードしていた手は、簡単に彼にどかされ。
両手首をつかまれると、聞こえてくる不機嫌な声。
声だけでなく、暁の顔も見るからに不機嫌。
な、なにをそんなに怒って……。
“あいつ”って、隼人?
「おまえ、前もそうだったよな。あいつに聞かれてなんで言わねぇんだよ。
今はちがくても、あいつに気があったから俺との関係言えねぇの?」
至近距離でじっと私を見つめてくる。