月夜に笑った悪魔


「それとなに、あれ。おまえって俺のことガキだと思ってんの?」


つかまれている両手首に少し強く力が入る。



……“あれ”?


頭を巡らせると、すぐに思い出したのは。
さっき、暁の頭をぽんぽんして誤解をといたこと。



ガキだと思ってやったとか、そういうつもりは一切ない。
それでも、またそこで不機嫌にさせてしまったのか。


私が悪かったかもしれないけど……なんか言い方悪くない?


私が年上のほうが好きって、なに決めつけてんの?




「なんでそういう解釈すんの……!?暁のこと答えられなかったのは“彼氏”なのかよくわからなかっただけ!

隼人には友だち以上の感情抱いたことないし、暁のことガキだとか思ってないし、そもそも本当に私が年上のほうが好きだったら暁と付き合ってない!

勝手に変な決めつけしないで!私が好きなのは暁だけだ、バカっ!」




言われたことを思い出せばムカついて、つい強く返してしまった。


一気に言えば、少し息切れ。

< 322 / 615 >

この作品をシェア

pagetop