月夜に笑った悪魔
暁は行ってしまうのかと思ったが、そんなことはなく。
彼もソファの上に乗ると、私の上に覆い被さってきた。
彼の重みで沈んで、ギシッと軋むソファ。
またまた、暁との距離が近い。
彼の手が伸びてきて、はずされた制服のリボン。
「……おまえにとって俺は、彼氏であり婚約者であり、旦那だろ。結婚するんだから旦那もまちがってねぇ」
至近距離で目が合うから、私はまっすぐに見つめ返した。
……彼氏、でいいんだ。
まちがってないんだ。
そう思っていると、今度は彼の手がブラウスのボタンに触れ……。
上からひとつずつ片手で器用にはずしていく。
「……それはダメ」
その手をつかんでとめるけれど。
「ダメじゃねぇ」
彼は私の首元に顔を埋め、首筋に噛み付いてきた。
「ひゃぅっ……」
甘噛みだったけど、体がビクッと反応。
その反応を見て暁はにやりと笑うと、今度は首元に吸い付いてきた。
「……やっ、あ」
漏れてしまう声。
ゾクゾクして彼のシャツをつかむことしかできない。