月夜に笑った悪魔


暁のことだから、もっとこう……『ヤダ』とか言うかと。
……優しいな。


「暁は……いいの?本当に大丈夫?」
「正直に言えば、好きだから毎日抱き倒してぇとは思ってる」


「…………」



ま、毎日抱き倒したい、って……。
正直すぎじゃ……?


心臓がドキドキと早く動いて、体が熱くなっていく。




「でも、美鈴と一緒にいたい理由はそれだけじゃねぇし。ただ一緒にいるだけで嬉しいと思ってるのはほんと。
だから今日は、どっかで飯食ってデートして普通に帰ろ」


私の顔を下から覗き込むようにして見て、優しく手を握ってくる彼。


「うんっ!」


私はすぐに大きく頷いた。






そのあと2人で見た海はとてもきれいで……。
私は一生忘れないだろう。

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