月夜に笑った悪魔
あの森の中からこの世のものではないものが突然出てきたら……なんて、いやでも考えてしまうんだ。
暁が変なこと言うから……。
もう、暁のバカっ!
そんなことを思っていれば、とまるバイク。
車の通りはないけれど、ちゃんと赤信号でとまったようだ。
ふとまわりを見た時に目に入ったもの。
それを見て、背筋がヒヤッとした。
見えたものは……古びた木造校舎。
その木造校舎は廃校なのか、なんだかすごく怖い雰囲気が漂っている。
思わず目が離せないでいると……その木造校舎の近くで見えた、人影。
その人影はライトを持っているのか、明るいものが一点見えて。
木造校舎の中へと入って行った。
体の体温が一気に下がっていく。
私は今、やばいものを見てしまったのか。
「ね、ねぇ……今、あそこに誰かいた、よね?」
私は暁に声をかけて、人影が見えたほうを指さした。
……これで暁も今のを見ていたのなら、今のは生身の人間だということになる。
2人とも見ていたら、そんなのオバケなわけないもん……ね?