月夜に笑った悪魔
「ただのオバケならそれでいいんだけど……土足で人のシマ荒らしてんだったら放っておくわけにいかねぇし、確かめに行くぞ」
暁がそう言うと、信号は青信号に変わって。
走り出すバイク。
私はまた強く彼につかまった。
……もし、月城組だったら、暁が暴走するかもしれない。
その場合、私は1人で彼をとめなくてはいけないということ。
この間もらったスマホがあるし、その中には蒼真たちの連絡先も入っていたから……万が一の時はそれで連絡しよう。
でも、月城組ではない可能性もあるんだよね……?
誰もいなかったりとか……。
誰もいなかったら、私が見たのはオバケってこと?
まぁ……そもそも見間違いって可能性もあるか。
どっちでも怖いな……。
このまま木造校舎へとバイクは行くのかと思ったが、通り過ぎて。
バイクは少し離れた森の前でとまった。