月夜に笑った悪魔



「そこ座って食えよ。3食付けるって約束だろ?」


彼が指さしたのは、すぐ近くの座布団。
目の前のテーブルには、美味しそうな料理が並べられていた。


それは和の朝食で、白米にお味噌汁、焼き鮭、卵焼き、お漬物。
全部とっても美味しそう。


それを見ただけでも、反応するかのようにお腹がまた鳴って。


「食べる!」


私は立ち上がって、座布団に移動。
暁はまた椅子に座るのかと思ったら今度は私と向き合うように座布団に座って、マグカップを手に取るとゴクゴクと飲んだ。


彼が手に持つマグカップは白いマグカップで、“若頭”と黒字で大きく書かれたもの。

誰のものだかすぐにわかるマグカップ。


「いただきます」


私は手を合わせて、朝食をいただいた。



今日からはじまる新しい人生。

ご飯はとっても美味しいし、若頭はいい人そうだし、とりあえずなんとかやっていけそう……な予感。

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