月夜に笑った悪魔
「ふーん?」
目の前の彼は、マグカップに口をつけてごくんと飲み物を飲む。
なんか、そんなに興味なさそう。
興味ないんだったら気づいても言わないでほしい……なんて思ったり。
「学校行く用意しとけよ。10分後には行くから」
彼はマグカップをテーブルの上へと置けば、立ち上がる。
そういえば、今日は平日。
普通に、学校がある日。
……ヤクザの人もちゃんと学校行くんだ。
暁はサボってそうな顔してるから、なんか意外。
彼は先に居間を出て、私は近くにあったおぼんに食器を乗せて部屋を出る。
「美鈴さん!片付けはやるので、置いといてもらってぜんぜん大丈夫ですよ!」
部屋を出れば、すぐ近くにいた春樹さん。
「でも、やっぱり片付けくらいは私が……」
昨日も、片付けをやろうとして同じことを言われ……任せてしまった。
この家に来てやっぱりいろいろやってもらいすぎているから、今日こそ片付けくらいはしたいのに。