月夜に笑った悪魔
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「……こんにちは」
学校帰り、連れてきてもらった病院。
病室の前にいる黒服姿の一条組の組員2人にぺこりと挨拶をすると、「どうぞ」と中へと通された。
ドクドクと動く心臓。
なにごともなかったかのように動いている暁を想像して、病室へと足を踏み入れたが ……現実は悲しいもので。
今日も彼は、ベッドの上で目を瞑ったまま。
広い個室、暁のそばには蒼真と吉の2人。
さっきまで暗い表情をしていたのに、私を見ると優しく微笑んで暁の近くの椅子へと座るように促した。
「……暁のバカ」
ありがたく椅子に座らせてもらって、暁の手を強く握る。