月夜に笑った悪魔
洗面所で歯を磨いて、髪を整えて。
10分もかからずに準備を終わらせれば、目に入った人物にびっくり。
「同じ学校じゃんっ!!」
思わず大きな声が出た。
隣の部屋から出てきた人物は、暁で。
なんと、彼は……私と同じ学校の制服を着ていたんだ。
ネクタイが緩められていたり、袖がまくられていたり、かなり着崩されているけど絶対同じ学校のもの。
その制服を普段学校で目にするから、まちがいない。
どこの学校に通ってるんだろうとは疑問に思ったけど、まさかすぎる。
同じ学校って……!
こんな目立つ人なら1回くらい学校で見ててもおかしくないのに、私は1回も見たことないよ!?
「そんなびっくりすることかよ」
ふっと笑うと、「行くぞ」と歩き出す彼。
びっくりすることだよ。
同じ学校なら早く言ってくれてもよかったんじゃ!?
私は置いていかれないようにスクールバッグを持って、暁について行く。
玄関へと行けば──
「暁さん、美鈴さん、お気をつけて!」
黒服姿の男性2人がそこにいて、頭を下げた。