月夜に笑った悪魔


やっと目覚めたと思ったら、また何度も何度も心配かけて……。
ちっとも安心できない。



きっと、これからもそう。

暁が復讐をする限り、この不安と恐怖を味わう日はまた来るんだ……。


……そんなの、やだよ。





「お願いだから……もう、復讐なんてやめてよ。私は、暁が傷つくことがなによりいやなんだよ……」



溢れ出す涙。


暁が月城組になにをされたのかは知っているし、それを許せないこともわかっている。


『復讐をやめて』なんて、簡単に言ってはいけないことだ。



でも、心の中で思っている言葉が涙と一緒に溢れていく。




「……月城組がしたことは許されることじゃねぇだろ」



返ってきた声は、低い声。

その声を聞いた瞬間、ゾクッとした。

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