月夜に笑った悪魔
びょ、病人になにして!?
どこ触ってるんだ……!!
「……っ」
私より低い体温。
大きな手はゆっくり上へと滑っていく。
体のラインを伝って、ギリギリのところに手が触れるからビクッとする体。
声が出そうになって、必死に抑えた。
この男は、私に無視されてるからこんなことをしているんだ。
やめて、って私が言うまで待ってる。
……悪魔め。
どんなに手が上に触れても私は耐えて。
口元を両手で覆っていると……離れた手。
丁寧に私の乱れたパジャマもなおしていく。
「悪かった」
その声は、ぽつりと呟くように落とされた。