月夜に笑った悪魔
心臓がドキッと大きく跳ねる。
早く帰ってきてほしいとは思ったけど、まさか今来るとは思ってもいなかったから。
「俺の名前呼んで、そんなに恋しかった?」
口角を上げる彼。
ついさっき、小さな声だが名前を呼んでいたのをしっかり聞いていたんだろう。
「…………」
私はすぐにら立ち上がって、彼のもとへと行こうとしたが……。
足をとめて、彼を見つめた。
見えたのは、頬に貼ってある絆創膏。
……ケガ、してる。
私の看病してくれてる時は、絆創膏なんてしてなかったのに。
きっと、月城組となにかあったんだ。
それでまた、傷ついて……。
想像するだけでも、また苦しくなる。