月夜に笑った悪魔


腕を引かれながら下駄箱へと行き、靴を履き替えて校門へと行くと……そこにいたのは。



小さな男の子と女の子の2人。
隼人の言っていた通り、本当に小学生くらいの子がいた。



だいたい、小学校低学年くらいの子。


でも、顔は見たことない。
この顔を見た記憶なんて記憶の片隅にもない。


……だれ!?
っていうか、この時間は普通に学校の時間なんじゃ!?






「おにーさん!そのおねーさんが“ひなみみすず”さん!?」


肩までの髪をツインテールにした小さな女の子は隼人をじっと見つめる。
女の子と手を繋いでいた男の子は、私と目が合うと女の子の背中へと隠れた。


「そう!美鈴連れてきたぞ!」


隼人が笑顔で言うと女の子は持っていたひまわり柄のショルダーバッグの中から何かを取り出して、それを隼人に渡した。


「ありがとう、おにーさん!お礼にこれあげる!」
「おっ!さんきゅー!」


隼人が受け取ったのは、小さな包みに入っている……キャラメル。

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