月夜に笑った悪魔
それに、私はまだ何度も暁にぶつかってない。
どんなに怒られても、不機嫌にさせても、私は何度も暁に『復讐をやめて』とぶつかりたい。
月城組のほうだって、可愛らしい娘と息子が言うんだから、もしかしたら気持ちは動かせるかもしれないし……。
ほんのわずかな可能性だけでも信じさせて……。
「ありがとう、おねーさんっ」
「……ありがと」
2人は嬉しそうに笑って、ぎゅっと私に抱きつく。
そうしたところで、鳴り響いたのはチャイムの音。
──キーンコーンカーンコーン
と大きく外まで聞こえてくる。