月夜に笑った悪魔
エンジン音が近づいてきたと思ったら、未玖ちゃんと巧くんを轢く寸前でワゴン車はとまり。
車のドアが開くと、出てきた男性が2人を抱きかかえて車に乗せる。
「な──、っ!?」
私が声を出そうすれば、急に後ろから口元をおさえられて。
直後、バチバチと電気のような音が聞こえるのと同時に体に強烈な痛みが走った。
「……っ!!」
遠のいていく意識。
やばい……っ!
そう思っても、意識を保つことはできなくて。
体からは力が抜け、瞼はおりてしまい。
車内へと乗せられたのを感じて、私の意識は完全に途切れた。