月夜に笑った悪魔


“ヤダ”って……。


……暁は、わかってない。
私と学校で一緒にいることで、自分がまわりからどう思われるのか。


「ちょ、ちょっと来て……っ!」


私は彼の手を引っ張って、この場から移動。
移動中もやっぱり目立っているが、1回ちゃんと説明するためだ……仕方ない。




できるだけ早足で階段を上り、屋上へ。


青い空に、白い雲。
太陽が出ていて、朝から高い気温。


こんなに暑いものだから屋上に来たがる人はいなくて、誰もいない。
ここでなら話ができる。



ガチャンと屋上のドアを閉めて、暁の手を離そうとする。
けれど、彼は私の手をぎゅっと握って離してくれなかった。


「もういいから離して……!」


私は彼に向けてそう言うが、彼はさらに強く手を握ってくる。


「ムリ。はじめて手、つないだじゃん。短時間で離すのはもったいねぇだろ」
「な!?」


な、なにを言い出すんだ!
私はここで暁と話をするために手をとっただけで……!
なにか考えて手をつないだわけじゃないよ!

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