月夜に笑った悪魔


その声からは怒りを強く感じる。
……恐ろしいほど。



和正が暁にボコボコにされたあの日から、和正は暁を恨んでいたんだ。


そして月城組に私を引き渡せなかったことで、和正は月城組ともなにかあったんだろう。


それで、一条組と月城組の2組を恨み、こんなことをして……。





「なぁ、和正。山頂に着くまであとどれくらい時間ある?」



急に、太ももに触れる冷たい手。
撫でるように触れられるから鳥肌が立つ。


金髪の男性はにやりと笑い、バックミラー越しに和正と目を合わせた。




「……あと20分もすれば着くだろ」


返事が聞こえてくると、ベリっと急に剥がされた口元のガムテープ。
勢いよく剥がされるから、ヒリヒリして痛い。


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