月夜に笑った悪魔


お、お、起きた……!?


唇は触れ合ったままで。
瞬きを繰り返すと、差し込まれた舌。


「……っ!」


後頭部にはつないでいないほうの手がまわって、押さえつけられ。
手は指を絡み合わせ、強く握る。


起きてそうそうなにするんだ……っ。
嫌ってわけじゃないけど……!


っていうか起きてたとかじゃないよね!?
いや、でも、暁のことだから起きてることもありそう……!




「やぁ……んっ」


口内を支配する甘い熱。
少しでも逃げようとすれば弱いところばかり攻められて、まったく動けない。


彼にはぜんぶ知られてる。
弱いところも、私がどんな反応をするかも。



悔しいけど彼の前では、私には反撃する手段がない。
……毎回、やられっぱなし。

< 482 / 615 >

この作品をシェア

pagetop