月夜に笑った悪魔
お、お、起きた……!?
唇は触れ合ったままで。
瞬きを繰り返すと、差し込まれた舌。
「……っ!」
後頭部にはつないでいないほうの手がまわって、押さえつけられ。
手は指を絡み合わせ、強く握る。
起きてそうそうなにするんだ……っ。
嫌ってわけじゃないけど……!
っていうか起きてたとかじゃないよね!?
いや、でも、暁のことだから起きてることもありそう……!
「やぁ……んっ」
口内を支配する甘い熱。
少しでも逃げようとすれば弱いところばかり攻められて、まったく動けない。
彼にはぜんぶ知られてる。
弱いところも、私がどんな反応をするかも。
悔しいけど彼の前では、私には反撃する手段がない。
……毎回、やられっぱなし。