月夜に笑った悪魔


上がる体温。
舌を激しく絡み合わせ、漏れるあつい息。



暁のことだけしか考えられなくさせられて、熱に溺れていく……。


彼とのキスは気持ちよくて、とろけていくみたい。


久しぶりにキスをしたせいか、それともあんな危険な目にあったからか、心が強く暁を求めた。



少し息が苦しくなった頃に、唇は離れ。





「かわいすぎ」


彼は私を見て笑う。
余裕そうな笑み。


私は息を乱しているのに、暁はぜんぜん乱れてない。


……なんで。
なんで、いつも私だけ……。


私だけいつも余裕を奪われているのがムカついてきて。



体を起こし、彼の上に覆いかぶさった。

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