月夜に笑った悪魔
「へぇ?珍しいな?」
私が上にいる状態でも、彼は驚くわけでもなく余裕そう。
それが余計ムカついた。
自分から唇を重ね、触れるだけのキス。
これで少しくらいドキドキしてくれるか、と思ったが……。
「で、このあとはどうすんの?美鈴」
にやりと笑う彼。
彼は口角を上げて、楽しんでいる様子。
私は再び唇を重ねて、舌を差し込んだ。
彼の頬に触れて、自分から舌を絡ませ。
ドキドキと暴れている心臓。
暁にはいつもされてばかりだから、自分からするのはまたちがったドキドキがある。