月夜に笑った悪魔
心だけじゃなく体も寄りかかっていいんだけど、ね?
体のほうは遠慮なく全体重をかけられると……私、潰れるよ?
あと、場所をもう少し考えようよ……?
病院の木を伝って外に出た私がそう思うのもアレだけど……。
「も、もう少しだけ加減して……!ほら、これで許して……!」
全力で暁の体を押し返し、ちゃんと座らせると私は彼の手を握った。
間に指を絡めて、恋人つなぎに。
このつなぎ方をするのは別にはじめてというわけではない。
はじめてというわけじゃない、けど……自分からするのはなんだか倍以上にドキドキするもので。
顔が熱くなってきて下を向けば、
「まっか」
暁は私の頬に触れて笑った。