月夜に笑った悪魔


「だって、暁のことほぼなにも知らないし……。気になるものは気になるよ?」
「いいぜ。なんでも答えてやるよ」


彼は「弁当食べながら」と付け足して、床に置いてあった自分の鞄を取ると中からランチバッグを取り出した。


私もお腹が鳴りそうで、ランチバッグを取り出してお弁当を広げていく。



彩りがいいお弁当。
主食、主菜、副菜がバランスよく入っていて、どれも美味しそうだった。


その中でも1番目に入ったのは、たこさんウィンナー。
黒ゴマかなにかでたこさんウィンナーに目をつけたのか、すごく可愛らしい。




暁はこの可愛らしいたこさんウィンナーを日々食べてるのかな。


想像すれば、クスッと笑ってしまう。


いただきます、と手を合わせてから食べ始める。
お弁当は、見た目どおりすごく美味しかった。



もぐもぐと口を動かして飲み込んだ後、私は彼に質問を開始。



「あのさ、ヤクザって組織には1番えらい位の“組長”がいるんだよね?その人に許可も挨拶もなく、私があの家にいても大丈夫、なの……?」


いろいろ聞きたいことはあるが、まずこの質問から。

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