月夜に笑った悪魔
「……岳様と組長は、私たちが何を言ってもぜんぜんとまる気はなく、明日抗争するつもりだったの」
口を開いた紫乃。
その声は少し低く、私は息を呑む。
『明日抗争するつもりだった』なんて、意味深な言葉。
月城組の人たちに狙われたのは、月城組組長と月城岳の命令ではない……?
「月城組の組員の中には、一条組への恨みが岳様と同じように強い人が多くいてね……。そういう人たちが集まって、一条組が油断している隙に潰してしまおうと勝手に動き出したの」
その言葉に、どうして今日こんなことになったのかを理解。
月城組で、そんなことが起きていたなんて……。
「組長と岳様がちょうど留守の時に動き出したから、私たちはそれをとめに来たんだけど……。途中で一条暁とあなたの目撃情報が入ったからこっちに来たの。
本当に死にそうだったし来てよかったわ」