月夜に笑った悪魔
耳を疑ってしまいそうになる言葉。
今の“本家”というのは月城組の本家のことで……。
暁は、一条組に戻るのではなく月城組に行け、と!?
「俺らが帰っても戦いはとまんねぇよ。……だから、月城組に行って一刻も早くとめるべきだ。
たぶん……つーか絶対、こっちの組長も動く。月城組をとめるために、親父なら月城組に乗り込むだろうな」
彼は口角を上げる。
考えナシに言ったわけではなかったようだ。
自信満々に言うから……きっとそうなんだろう。
一条組の組長のことは、息子である暁がよくわかっているはずだから。
一条組の組長が行くのなら、私たちもすぐに向かうべきだ。
一度ぶつかってだめでも、未玖ちゃん、巧くん、紫乃の3人は、まだ月城組をとめられる可能性があるのだから。