月夜に笑った悪魔
「……あなたたち、ほとんど戦闘力ないじゃない。万が一なにかあって死んでも知らないわよ」
紫乃は少し声のトーンを落とす。
……それも、そうだ。
月城組に行くと言っても、一条組である私たちが行ったら……死ぬかもしれない。
暁はまだちゃんと動けないし、私は戦闘力なんてものはないのだから。
危険を知らせてくれているけれど、暁は。
「おまえだって、このままなんとか俺らを一条組まで送ったところで、追ってきてるやつらに捕まって死ぬだろ」
「…………」
……紫乃たちのことも心配しているのだろう。
「わたしたちがまもるからっ!みんな死なないよっ!」
「……だいじょーぶ」
後ろからひょこっと顔を出した未玖ちゃんと巧くんの2人。
会話を聞いて心配になったようで、まっすぐに見つめてくる。