月夜に笑った悪魔
「ねぇ。もし……私が暁のこと好きにならなかったらどうするの?」
なんとなく思ったことを聞いてみると。
「好きになるだろ」
自信満々に答える彼。
……その自信はいったいどこからくるのか。
なにか作戦でもあるのだろうか。
「絶対惚れさせるから覚悟しろよ」
彼は、まっすぐに私を見て逸らさない。
私も彼から目を離せなくて……ドキドキしながら固まってた。
「さっそく好きになった?」
口角を上げたまま、聞いてくる彼。
「な、なってない!」
すぐに返す。
なんで、そんな、早く……!
ドキドキはするけど……。
こんなにドキドキするのは、暁の色気が無駄に出ているせいと、顔が整ってるせい。
自分は面食いじゃないと思ってたけど……こんなに色気があるイケメンに優しく触れられて、ドキドキしないなんて無理だった。