月夜に笑った悪魔
月夜に笑った悪魔
目を開けて、見知らぬ天井が視界に入った。
一瞬……本当に一瞬、死んだかと焦ったけどまわりを見て安心。
薄暗いけど何となく見えて、わかった。
私はベッドのは上にいて、口元には酸素マスクがついているから、ここは病院。
三途の川じゃない。
……生きてる。
ちゃんと、生きてる。
真っ先に頭に浮かんだ人物は、暁。
私はすぐに起き上がろうとした、が。
体に感じる痛み。
一度ベッドに背中をつけたけど、私は気合いで起き上がった。
酸素マスクをはずし、きょろきょろと病室内を見渡すが、だれもいない。