月夜に笑った悪魔


く、首はやっぱりだめだ……。


私はいったん彼を離そうとした、が。



「ひゃぁ……っ」


柔らかい感触が首に触れて。
びっくりして声が漏れた。


ちゅうっ、と強く吸いつかれればビクつく体。



「んっ……やぁっ」


体の力が抜けて、甘い熱に支配されていく。


暁の重みでベッドは沈み、ギシッと軋むスプリング。


あつい手が素肌に直接触れるから、熱がまわるのは早い。



……いやじゃない、
あつい熱に支配されるのは、いつも心地いい。


暁の熱は、いつも優しく私を包み込んでくれるから。

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