月夜に笑った悪魔
「ちょっ、待っ、なに!?」
「礼はカラダで払えよ」
「な!?」
「なんでもするんだろ?」
……確かに、数秒前に言った。
なんでもする、って言ったのは私だけど……!
まさか、そうくるとは思わないじゃん!?
「い、言った、けど……!こういうのは……!」
「一度言ったことは取り消せねぇよ」
つかんでとめた手は簡単に振り払われ。
今度はブラウスの下へと手が侵入。
大きな手、長い指。
私より少し低めの体温が、体のラインをなぞるように上へと滑ってブラウスをめくりあげていく。
「待って待って待って!」
慌てて手首をつかんでとめる、が……。
「ムリ、待たない」
彼はキャミソールの上から下着のホックに手をかけて……。
プチン、と音がした瞬間、胸を締めつけていたものから解放された。
な、なにを!?
私の脳内は軽くパニック状態。
手の力がほんの少し緩めば、ブラウスの下に滑らさせた手とは反対の手で、器用にブラウスのボタンを外していく。