愛は惜しみなく与う②
身体つきも大きくなり、背も伸びて、弱々しかったあの頃が嘘のよう


「んだ、てめぇ!インテリ坊やが何の用だよ」


「…あなたは、朔ですね?データ通り必ず一番にいちゃもんを付けてくる。あたってますね」


クイッと眼鏡をあげる


「ピーマンも嫌いらしいですね?しっかり食べたほうがいいですよ」


性格は少し曲がって成長したようだ


「いーずーみーー!こいつ、やっちゃうからな!?!殴る!ぜってぇ殴る!」


暴れる朔の服を掴む

みんなも少しザワザワとする




そして新は俺の前に来て手を出した




「あなたの力にならせてください」




「2年もありゃ、逃げれたのに。自分で来たってことは、もう逃げれねーぞ」



そう言うと、新は笑っていた


こうして今から3年前、新は烈火に入った


俺の家のことも一緒に悩んで、乗り越えてくれている


そしてそんな新が、杏がいなくなったコンビニの防犯カメラを観て戻ってきて言ったんだ




「……東(ヒガシ)です」




そう一言
< 10 / 419 >

この作品をシェア

pagetop