愛は惜しみなく与う②
んーーー
「もどかしいな、あんたら」
あたしがそう言うと、え?と4人の顔がこちらに向いた。
「新だけちゃう。あんたら全員、泉のこと心配してるし、不安そうな顔して……1人で行かせたこと後悔してるんやろ?」
全員がいつもと違う顔
それになんか情けない顔してる
「しょうがないじゃん。泉は家のことには、俺たちを巻き込みたくないって言ってるんだ」
「で?響は納得したん?知りたいって頼ってほしいって思わへんの?」
それは…
と呟く響
「巻き込みたくないのは、あたしだって気持ちは分かる。けど…泉だって1人じゃ立ち向かえへん事もあるし。頼ってほしいと思うなら、言わなあかん」
それでも家のことに関わるなと言うなら…
「泉のことなんて無視して好きなようにすればいい」
今度は丁寧に点滴を抜く
隣のカートに置いてある絆創膏を傷口に貼ってベットから飛び降りる
左肩を回してみるが、ほとんど痛みはない
うん
足の傷も気にもならんくらい痛くない
「よし、あんたら行くで!」
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