愛は惜しみなく与う②

んーーー


「もどかしいな、あんたら」


あたしがそう言うと、え?と4人の顔がこちらに向いた。


「新だけちゃう。あんたら全員、泉のこと心配してるし、不安そうな顔して……1人で行かせたこと後悔してるんやろ?」


全員がいつもと違う顔
それになんか情けない顔してる


「しょうがないじゃん。泉は家のことには、俺たちを巻き込みたくないって言ってるんだ」


「で?響は納得したん?知りたいって頼ってほしいって思わへんの?」

それは…
と呟く響


「巻き込みたくないのは、あたしだって気持ちは分かる。けど…泉だって1人じゃ立ち向かえへん事もあるし。頼ってほしいと思うなら、言わなあかん」


それでも家のことに関わるなと言うなら…




「泉のことなんて無視して好きなようにすればいい」


今度は丁寧に点滴を抜く
隣のカートに置いてある絆創膏を傷口に貼ってベットから飛び降りる


左肩を回してみるが、ほとんど痛みはない


うん

足の傷も気にもならんくらい痛くない




「よし、あんたら行くで!」


---
< 100 / 419 >

この作品をシェア

pagetop