愛は惜しみなく与う②

杏にそんなに心配なら付いていけばいいやん。そう言われて納得してしまった。

そうだ
ここでウジウジするくらいなら、嫌がられても付いていけばよかったんです。


泉が嫌がるから。怒るから。そう考えていました。

でも本当に大切に思うなら、心配しているなら、やることは決まっていたはずなのに



杏はベットからヒョイと飛び降りて、私たち4人の前に立った



そして笑顔で言った



「よし、あんたら行くで!」と



私以外の3人も目を丸くしている
まぁ点滴を普通に抜いてましたけど、その時点でおかしいですからね?

応急処置の手際の良さなどを見ていると、きっと彼女は何度も怪我をして病院に来てたんだろうと思ってましたけど…


行くってどこへ?


満面の笑みの杏



「はー?まだ病み上がりだろ?我慢しろ。食いたいものがあるなら買ってくるか」

朔は少し呆れたように
慧は、何か食べたい?そう優しく聞いた


しかし違っていました


杏は笑顔で再び私たちを驚かせることを言いました



「何ゆうてんの?泉の家に行くに決まってるやん」





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